敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 思わずこぼした本音。ハウイットは少し驚いたように目を見張り、次いでフッと微笑んだ。
「笑いませんよ。……ですが、おかしいですね。ジーク様がちょっといい男に見えてしまいました」
「ハッ! 安心しろ。それはむしろ、お前の目が正常に戻ったのだ」
 幼い頃に戻ったように軽口でひとしきり笑い合った後、ハウイットがスッと表情を引きしめた。
「それで、現実問題なにか策はあるのですか?」
「……うむ。実を言うとあるにはある。それを切れば、全てが引っくり返る特大のカードだ。そのカードは、エミリアが持っている」
 エミリアが握る特大のカードは〝彼ら〟だ。
「なんと。では、その手を使って正妃となさればいいではありませんか」
「それは……」
 彼女はそれを望むだろうか。なにより、彼らはそれをよしとするだろうか。
 俺は束の間、先日の舞踏会での一幕に思いを馳せた──。

 あの日。エミリアが飲み物を取りに行った後、俺は早々に伯母らとの話を切り上げて彼女を追いかけた。
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