敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 殿下は迷いのない手つきで綿のシャツとシンプルなロングスカート、大判のストールに髪を結ぶリボン、革のショートブーツまで選び出して、私に渡した。ちょうど町の娘たちが普段着にしているような一式である。
「え?」
 クローゼットの中身を私以上に把握している殿下に驚くが、そもそもこれらを揃えてくれたのは彼だ。そういえばアニータが『リボン一本選ぶにも気を揉んで~』的なことを言っていた。どうやら誇張ではなかったらしい。間違いなく彼はリボン一本の柄まで把握していそうである。
「俺も部屋で着替えてくる。五分後にまた来る」
 そう言って殿下は呆気に取られる私を残し、自分の部屋に消えた。
「……こんな服もあったのね」
 ぽつりとつぶやいて着替えだす。
 着替えを終えて姿見の前に立つと、どこからどう見ても町娘にしか見えない自分の姿が映っていた。豪華なドレスに袖を通した時に勝るとも劣らない、わくわくした気持ちになった。
 ──コンコン。
「着替え終わったか?」
「はい。今行きます」
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