敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ヒラリとスカートの裾を翻し、扉の外で待つ殿下のもとへ小走りで向かう。そうして開いた扉の向こうに普段とんと見ない砕けた恰好の殿下を見て、目を丸くした。
 彼はチュニックシャツとズボンを着崩していた。帯剣ベルトに装備された剣こそ普段殿下が愛用している立派な物だが、肩にかけているのは灰色の質素なマント。いつもサイドを後ろに流して整えている髪も今は無造作に遊ばせていた。
 その恰好だけを見れば、商家の用心棒や流れの剣士といったところ。しかし恵まれた容姿と体躯、そこに隠しても隠し切れない気品が加わり、醸し出すオーラが到底ただ人ではない。要は、恰好よすぎるのだ。
 顔に熱が集まっていくのを感じだ。
「よく似合っている。もっとも町娘にしては少々可愛すぎるがな」
 殿下は私の頭から足先まで見て、フッと相好を崩す。
「……エミリア? どうかしたか?」
 固まったまま反応しない私に、殿下が心配そうに問う。
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