敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
殿下は大人の男性で、しかも今までの言動から考えるに相当女性慣れしているはずで。そんな彼の手練にかかれば、私などひとたまりもない。惹かれないわけがないのだ。
「ジークフリード殿下、それは私ではなく正妃様にお伝すべき言葉です」
唇からこぼれた声は、胸に燻る反発感情を映してか、ひどく平坦としていた。
眉間に皺を刻み固まる殿下に、私はさらに続けた。
「あまりこのようなことは言いたくないのですが、こう方々に粉をかけて回っていてはいざ正妃様を迎えられた時、不実と思われてしまうかももしれません」
「待て。俺がいつ、粉をかけて回ったと?」
なんてことだ。こんなに私の心を振り回し、魅了しておきながら、殿下は無自覚らしい。
ため息がこぼれた。
「殿下は大人の男性ですもの。色事に長け、その駆け引きで楽しんでいらっしゃるのでしょう? ですが、そのお相手に私というのはいけません」
「なっ!? 誤解だ!」
慌てる殿下に、私は苦笑いで応える。
「ジークフリード殿下、それは私ではなく正妃様にお伝すべき言葉です」
唇からこぼれた声は、胸に燻る反発感情を映してか、ひどく平坦としていた。
眉間に皺を刻み固まる殿下に、私はさらに続けた。
「あまりこのようなことは言いたくないのですが、こう方々に粉をかけて回っていてはいざ正妃様を迎えられた時、不実と思われてしまうかももしれません」
「待て。俺がいつ、粉をかけて回ったと?」
なんてことだ。こんなに私の心を振り回し、魅了しておきながら、殿下は無自覚らしい。
ため息がこぼれた。
「殿下は大人の男性ですもの。色事に長け、その駆け引きで楽しんでいらっしゃるのでしょう? ですが、そのお相手に私というのはいけません」
「なっ!? 誤解だ!」
慌てる殿下に、私は苦笑いで応える。