敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「口もとに綿菓子がついていた。ごちそうさま」
 殿下は悪びれもせず、ペロリと口の端を舐めとる。凄まじく艶っぽいその仕草に、もともと赤くなっていた顔にさらにボンッと熱が集まる。
「っ、でしたら次からはそうおっしゃってください。そうしたら、ハンカチで拭いますから……っ」
 私は頬を真っ赤にし、唇を尖らせて主張する。すると、少しムッとした顔の殿下が、私の頬にスルリと手の甲をあてた。
「ずいぶんと顔が赤いようだ。初めてのサーカスを前に興奮しすぎたか?」
 これ、明らかに殿下はわかってやっている……!
「知りません!」
 殿下の見せる余裕の態度が悔しくて、私はツンッとそっぽを向いた。
「すまなかった。あまりにも君が可愛くて、つい調子に乗りすぎた。君に目を合わせてもらえないのは辛い。この通りだ。どうか機嫌を直してくれないか」
 そっと肩を抱き寄せられ、耳に心地いい低い声で囁かれる。こうなると、私はこれ以上ふくれっ面のままでいるのが難しい。
「もう、あんまり揶揄わないでください」
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