敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ……よかった! すぐに消したからそこまで重篤な状態ではないみたい!
「エミリア。君を彼のもとに連れて行ったら、なにか助けとなれるか?」
 今も場内は混乱しているが、事故の発生直後のどよめきはこの比ではなかった。会場内には悲鳴が反響し、観客の目は全てステージ上の男性に向いていた。だから、私の言動に気づいた者はいない……ただひとり、ジークフリード殿下を除いては。
「はい! 私に応急処置をさせてください!」
 ジークフリード殿下の問いかけに即答した。
「そうか。……ハウイット! エミリアが応急処置にあたる。彼を舞台袖に運び、目張り布で覆いをしろ。処置中は団員含め絶対に中に人を入れるな。他の者は観客の誘導にあたれ。なお、此度の事故について詳細を他言せぬよう徹底させろ!」
「ハッ!」
 いつの間にかハウイットさんが側に控えていて、殿下の指示を受けて即座に動きだす。護衛と思しき数人の男性たちも、ハウイットさんに続いて走っていくのが見えた。
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