敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 私も殿下に伴われて、舞台袖に急いだ。
 私が叫んだのは精霊たちに【お願い】をする時の成句だ。
 私自身のことは精霊たちが自発的に──それも過剰なほどの気遣いで先回りして動いてくれる。けれど他者や他所に力を介入させる時は【お願い】が必要になる。
 それがこの成句であり、願い事の前に唱えれば、精霊たちにとって強制力をもった命令と同じ。七歳の私が王宮の一角を爆風で吹き飛ばした一件は、教わったばかりの成句をほんの悪戯心で唱えたのが原因だった。
 これを行使できるのは、いとし子である私だけだという。ただし、いとし子とはなんなのか、肝心の部分は今もあやふやなままだ。
 私が舞台袖に着いた時、ちょうどハウイットさんたちの手によって負傷した男性が運ばれてきたところだった。
「後は俺たちが。表に医師が到着したら通す前に俺に報せろ」
「承知しました」
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