敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「ええ、変わります。それも、間違いなくいい方向に」
 ハウイットさんは力強く首肯する。
 ゴクリと喉が鳴った。
「エミリア様。聖女の来臨は慶事です。その存在は、民にとって明るい希望となります。そして聖女であるエミリア様と王太子であるジーク様の婚姻となれば、それはガルニア王国にとって至上の喜び。言うまでもなく、聖女の公表如何によって婚姻の意味もおふたりの婚姻後の生活も大きく違ってきます。これらを踏まえ、どうか公表を前向きに、そして早急に考えてみてください」
 ハウイットさんの説明は明快だった。公表で得るものが大きいことも十分に伝わった。だけど……。
「よくわかりました。少しだけ、時間をください」
 そう伝えるのがやっとだった。
「はい。出過ぎた発言をして申し訳ありませんでした」
 ハウイットさんは頭を下げながら小さく答えた。
 それ以降は特に会話もなく、私は夕暮れの街をぼんやり眺めながら惰性で足を進める。
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