敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 隣の殿下は難しい顔をして、なにか考えているようだった。私もまた、いろんな思考が忙しなく頭の中を巡っていた。
 アドランス王国で『呪われた王女』と後ろ指差されながら十年近くを過ごし、今さら手のひらを返したように『聖女』だともてはやされることに正直戸惑いが先に立つ。
 そしてこの国で私の存在が好意的に受け入れられるとしても、皆が望む『聖女』としてきちんと振る舞えるかという不安もある。そもそも私は、憧れや尊敬の眼差しがほしいわけではないのだ。
 本音を言えば、今まで通り力について隠したままひっそりと暮らしていきたい。だけど、殿下のためになるのなら『聖女』の役目を負ってもいいかもしれないと考えるくらには、私は彼のことを好きになっている。
 あれ? そもそも私が聖女の名乗りを上げてから婚姻するとして、正妃様はどうするんだろう。
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