敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 どうして昨日、殿下の話をちゃんと聞いておかなかったんだろう。私が遮ってしまったけど、殿下は禁書というワードと共に『聖女である君にも関わること』とたしかにそう言いかけていたのだ。
 殿下はエーテル山に向かったという。そこに『聖女』である私は一緒に行かなくてよかったのか。
 ……わからない。私は自分のことばかりで、殿下を無下にした。『知らせたいことがある』と、わざわざ時間を取って話そうとしてくれていたのに!
 後悔が胸に押し寄せる。遣る瀬なさに歯噛みして、しかし次の瞬間にはキッと前を見据えた。
「アニータ、私もエーテル山に行くわ!」
 言うが早いか、私はくるりと身を翻して階段を駆け下りる。
「お待ちください! 現在街は非常に混乱しております。到底女性ひとりで街路を駆け抜けていけるような状況ではありません!」
 後を追ってくるアニータを振り返る。
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