敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「実はねアニータ、私は建国の神々の祝福を授かった聖女なの。エーテル山でなにが起こっているのかわからないけど、絶対に私の力が必要になる。今、行かなくちゃならないの」
「……エミリア様が、聖女様?」
 アニータは私の告白に目を真ん丸にして、唇を震わせていた。
「ええ、事実よ。だから移動についても心配いらない。私は神々の祝福に守られている。傷つくことはないわ」
 そうこうしているうちに階段を下りきり、厩舎に向かって駆ける。
 厩舎に着くと殿下から下賜された相棒・ヒューラを馬房から引いてきて、連日の乗馬の訓練ですっかり慣れた手順で鞍を装着していく。
「私も一緒に──」
「駄目よアニータ。私について来ようとすればあなたが危険よ。同行は許可できない。私はひとりで行くわ」
 アニータに先制で釘を刺し、ヒラリと馬上に跨る。
 殿下は最初に約束した通り、日程と時間の許す限り乗馬を教えてくれた。殿下は実に優秀な教師で、おかげで私の乗馬の腕はめきめきと上達していた。
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