敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 かなりの速度で走らせているため声が届きにくいはずだが、ハウイットは的確に聞き取ったようだ。しかし、その真意は掴みかねたらしく、怪訝そうに柳眉を寄せた。
 禁書によれば、世界には折り重なるようにして複数の界が存在している。通常、界は互いに干渉しないが稀に摩擦を起こし、その衝撃波が人の世に様々な災厄となって降り注ぐのだという。
 それは我が大陸を襲った火球の落下であり、海洋の諸島に迫った大津波であり、北方の大陸で発生した氷河の大崩落だった。これらは全て界の摩擦によって生じた禍だ。
 ちなみに、それぞれ場所で禍を抑え込んだ者が、精霊神の加護を得て国を興している。ガルニア王国をはじめとするこれらの国々は、今なお周辺諸国に影響を与える大国だ。
< 201 / 265 >

この作品をシェア

pagetop