敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「いいや。空の色がおかしくなってすぐ、この道を通って行った青年たちが逃げ惑うあたしらに教えてくれたのさ。この後、燃えた星が落ちてくるけど、王太子殿下が被害を防ぐ手だてを持っている。街はちゃんと守られるから、無暗に出走せず家にいろってね」
 ……もしかして、その青年たちって!?
 目を丸くする私に、老婆はさらに続ける。
「なんでも王宮からの最新の情報だそうだ。しかも、教えてくれたのはひと目でそれとわかる威風堂々とした青年でね。連れの青年も物腰こそ柔らかかったけど、見るからに切れ者って感じだったしね。ありゃあ、どっちも城の偉いさんに違いないね」
「あの! さっきの『燃えた星が落ちてくる』というのはどういうことでしょう?」
 突拍子もない内容に聞こえるが、たぶん禁書に記されていた史実なのだろう。きっと過去にも、今と同様の事案があったのだ。
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