敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 サラマンダーの声につられて東の方向に目を向けたら、赤黒い不気味な空が一部、青さを取り戻していた。慣れ親しんだ空色にホッとして、涙が出そうになった。
《火球はあれで最後のようですね》
 ──シュンッ!
 ディーノが指差した最後の火球を射た直後、殿下の体がグラリとかしぐ。
「殿下っ!?」
 体が地面に叩きつけられる直前、私は彼を支えようと咄嗟に両腕を伸ばした。ところが圧し掛かってくる重みに耐え切れず、縺れるように倒れ込む。
「あっ!」
 気づいた時には私が下、殿下が上になって、ふたりで絡み合うようにして地面に横たわっていた。
 偶然にも殿下の頭が私のささやかな胸の谷間に乗っている。驚いて身じろいだら、その動きで彼の顔がこてんと傾き、片方の乳房にぽふんと鼻先が沈む。
 きゃっ!?
《うわぁっ、破廉恥~っっ! メッ!》
 シルフが甲高く叫び、直後に殿下の体がボフンッと風圧で弾き飛ばされた。
「「グッ」」
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