敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ノーム爺は重々しく跪き、私のスカートの裾に唇を寄せた。
「精霊神のいとし子エミリアが希う! 水の精霊ウンディーノ【河川や湖、街の井戸や浄化槽の水の灰や塵による汚染を浄化して!】」
「《承知しました。私の愛しき姫》」
 ディーノは私の足元で片膝を突き、そっと手を取ると恭しく指先に口付けた。
 ……ひぃっ、恥ずかしい。
 いくら『聖女』を宣伝するためのデモンストレーションとはいえ、みんな気合いが入りすぎではないだろうか。さっきから、横で見ている殿下の口もとがピクピクと引きつり、それをハウイットさんが宥めているのが居た堪れない。
 ここで、サラマンダーがスッと殿下の前に進み出た。
「《王太子ジークフリードよ》」
 精霊神に名指しされた殿下は、サラマンダーの前で躊躇なく腰を折った。王族としては異例の行動だが、建国の神が相手とあっては妥当な行動なのかもしれない。
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