敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「アドランス王国の王女にはもともと『悪女』やら『呪われた王女』やら悪い噂が付きまとっていたのですが、社交の場に一切出てこないこともあって不自然なほど情報がありませんでした。それで今回、戦後交渉でかの国に滞在していた担当官から噂の真相を聞いてきまして……正直、予想を超えていました」
 珍しく重い口ぶりのハウイットを前に、俺の眉間にも自ずと皺が寄る。
「なんだ、もったいぶらずにさっさと言え」
「王女は火で遊んだり、土や水で悪さをしたり、幼少期から城の者は手を焼いていたようです。十年前、アドランス王宮の一角が爆発する事件があったのですが、それを企てたのが当時七歳の王女だったそうです。以来、彼女は『悪女』や『呪われた王女』と呼ばれ裏宮で軟禁状態になっています」
「恐れ入ったな。女王といい王女といい、あの国の王族はほとほと腐りきっている。やはり属国などと温いことをせず、今からでも王族を皆殺しにするか」
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