敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「……いえ、そうではなくて。さっきの言い方だと、まるで殿下は聖女でなくとも私を正妃にしたかったのだと、そう聞こえてしまいます。そもそも、私が殿下の正妃になるのって『聖女と王太子の婚姻は国にとって大慶。しかも今回は、精霊たちの全面バックアップで聖女としての箔付けも完璧。だから出自は難ありでも目を瞑って正妃にしよう』と、言うなればこんな経緯ですよね?」
 私が口にした瞬間、殿下は一気に顔色を失くした。脇で聞いていた精霊たちは、ある者は大爆笑し、ある者は殿下に同情の滲む目を向けてと、その反応は様々だ。
 身も蓋もない言い方だが、非常にわかりやすく核心を突いたと思ったのだけど。
「もしかして私、なにかおかしなことを言いましたか?」
「いいや、エミリア。俺のこれまでの不甲斐ない態度では、君がそう考えるのも無理はない。だが──」
 殿下はここで言葉を途切れさせると、グッと唇を引き結んで立ち上がる。その目は並々ならぬ決意を秘め、表情は厳しく引きしまっていた。
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