敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「えっ……み、みんな?」
 部屋には私と殿下、ふたりだけが残った。

***

 部屋にふたりきりになると、俺はエミリアの正面に回りスッと片膝を突いた。精霊たちがいなくなるタイミングでエミリアは立ち上がっていたから、俺は彼女を見上げる恰好になった。
 アメジストのような澄んだ瞳に、俺が映っていた。
「エミリア、どうか聞いてほしい」
 先ほどのエミリアの言葉を聞き、全てが後手後手の至らない自分自身に愕然とした。精霊神に許可を得るよりも先に、彼女に俺の心を伝え婚姻の承諾をもらうのが筋であったのに。俺は順番を間違えたのだ。
 それだけではない。いつだってエミリアの前では恰好よくいたいのに、実際は空回ってばかりでちっとも恰好なんてつかない。
 だが、無様でも愚かでもいい。聖女の慈悲に縋ってでも、俺は彼女の愛がほしい。
 恥も外聞もかなぐり捨てて、想いの全てを打ち明けて愛を乞う──!
「はい」
 小さく答えるエミリアの声は、おっとりとしていて春の陽だまりを思わせる。
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