敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 今思えば、全身鎧に身を包んで初めて対峙したあの時、俺は耳に心地いいこの声で毅然と答えられて恋に落ちた。
 見た目はまさに妖精そのもの。愛らしく嫋やかな姫の、一本筋の通った凛とした姿に無性に惹かれたのだ。
「俺は君を愛している」
 エミリアは目をパチパチと瞬いて、固まっている。
 そんな些細な仕草すら奇跡のように愛らしくて、思わず俺の腕の中に閉じ込めたくなる。彼女の全てが、俺を魅了してやまない。
「君を王太子の続き間──王太子妃の部屋に通したのは俺にとって必然で、あの時からずっと君しか見ていない。俺が正妃にしたいと望んだのは、後にも先にもただ唯一君だけだ」
 彼女があまりにも大きく目を見張るから、アメジストの宝石がこぼれ落ちてしまうんじゃないかとハラハラした。
 俺が反射的に腕を伸ばし、指先を彼女の頬に添わせたら、彼女は擽ったそうに目を細めた。その様子が人馴れした子猫みたいで、真剣な状況にもかかわらず口もとが緩んでしまいそうになる。
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