敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ……なんだろう?
「悩んでいるわけではないのだが、実は落とし物をした」
 唐突な語り出しに若干驚く。
「え、落とし物? 大切な物だったんですか?」
「ああ、とても。常に身に着けていてな。エーテル山に登った段階では、たしかに持っていたんだ」
 ん? 戸惑いつつ、静かに続く言葉を待つ。
「だが、帰ってきた時にはなくなっていた。気づいた後すぐに捜したが、エーテル山にも王宮の尖塔にも俺の部屋にもなかった。おそらく精霊神がボロボロになった衣服共々処分したのだと思うが、ふたつとない思い出の品だったからな。少々寂しく思い返していたんだ」
 ……それって! ここまで聞けば自ずと察した。
「ジーク様。それ、もしかしてこれですか?」
 私は慌ててポケットから〝それ〟を引っ張り出す。そうして手のひらに乗せ、包んでいた懐紙を広げた。
 ジーク様は中から現れた黒い塊に目を丸くしていた。
「すみません。エーテル山で拾ったんですけど、すっかりお返しするのを忘れていて」
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