敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「君は寛容すぎる。君に正体を打ち明けたら、鎧の騎士がぶつけた牽制の言葉がジークフリード本人が語った言葉になってしまうと思った。隠し通し、一から関係性を築いた方が恰好がつくと、そんな浅はかな考えでいたんだ。だが、今だからこそ思う。君以外を正妃にする気はないと、早く伝えるべきだった。そうすれば君を傷つけることもなかった」
「たしかに、いずれジーク様が迎える正妃様の存在にずいぶんとやきもきしました。ですがこの一カ月、それ以上に嬉しいことや楽しいことがいっぱいありましたよ。……それこそ、あなたを愛するのに十分なほどに」
 ジーク様は感極まった様子で、私に向かって腕を伸ばす。けれど、彼は私の頬に触れる直前でピクリと手を震わせて、スッと下げてしまった。
「君はどこまで清らかで美しいんだ。あまりに綺麗で、綺麗すぎて……触れるのが憚られる」
 ジーク様はそう言って、膝の上で拳を作った。
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