敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
ガルニア王国民より小柄なアドランス王国民の中でも彼女は小さくて華奢だ。彼女を見ていると無性に庇護欲が刺激された。
「昨日はゆっくり眠れたか?」
荒野が続くこの一帯には宿を備えた大きな町がない。そのため昨夜は旅の行程で初めての野営となった。
エミリアにはひとり用の天幕を与え、簡易寝台も用意したとはいえ、旅に慣れていない彼女が野鳥の声や虫の羽音が響く中できちんと休めたか心配だった。
「はい、それはもう朝までぐっすり。寝台はふかふかだし、天幕は隙間風ひとつ入ってこないし快適すぎちゃうくらいでした」
簡易寝台がふかふかだと? いや、それよりも……。
「君がアドランス王国で暮らしていた宮は風が入ってきたのか?」
「ええ。窓が割れていて防雨の布で凌いでいたので、風の強い日なんかはどうしても吹き込んできて。ただ、そんな日はシルフに……」
「シルフ?」
「い、いえ! なんでもないです。えぇっと、とにかく隙間風はそれなりの対策をして、問題なく暮らせていました」
「昨日はゆっくり眠れたか?」
荒野が続くこの一帯には宿を備えた大きな町がない。そのため昨夜は旅の行程で初めての野営となった。
エミリアにはひとり用の天幕を与え、簡易寝台も用意したとはいえ、旅に慣れていない彼女が野鳥の声や虫の羽音が響く中できちんと休めたか心配だった。
「はい、それはもう朝までぐっすり。寝台はふかふかだし、天幕は隙間風ひとつ入ってこないし快適すぎちゃうくらいでした」
簡易寝台がふかふかだと? いや、それよりも……。
「君がアドランス王国で暮らしていた宮は風が入ってきたのか?」
「ええ。窓が割れていて防雨の布で凌いでいたので、風の強い日なんかはどうしても吹き込んできて。ただ、そんな日はシルフに……」
「シルフ?」
「い、いえ! なんでもないです。えぇっと、とにかく隙間風はそれなりの対策をして、問題なく暮らせていました」