敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
ピクンと指先が震え、俺を見下ろす顔が目に見えて朱色に染まる。初々しいその姿に、愛しい思いが込み上げた。
ところが次の瞬間、姫がハッとした様子で手に力を込めたと思ったら、俺の手から指先を引き抜いた。
「ジ、ジークフリード殿下!? なんということでしょう。わざわざ殿下が私などのお出迎えに……畏れ多いことです」
姫は俺が自ら出迎えたことに狼狽えていた。無理もない。俺とて彼女の人となりを知る前は出迎えはおろか、その存在を捨て置くつもりでいたのだから。
彼女もまた、ここで自分が尊重されることなどないと諦めていたはず。彼女が俺に対し身構えてしまうのも当然と言えた。
離れてしまった手の温もりを寂しく思いながら、俺は萎縮する彼女の心を解こうと柔和に笑んで口を開く。
「姫が驚くのも無理はない。だが、あなたを歓迎すると言った先の言葉に嘘はない。俺たちはこれから夫婦となるのだ。他人行儀に呼ばず、俺のことはジークと呼んでくれ」
俺の言葉に姫は唖然とした様子で、パチパチとアメジストの目を瞬かせる。
ところが次の瞬間、姫がハッとした様子で手に力を込めたと思ったら、俺の手から指先を引き抜いた。
「ジ、ジークフリード殿下!? なんということでしょう。わざわざ殿下が私などのお出迎えに……畏れ多いことです」
姫は俺が自ら出迎えたことに狼狽えていた。無理もない。俺とて彼女の人となりを知る前は出迎えはおろか、その存在を捨て置くつもりでいたのだから。
彼女もまた、ここで自分が尊重されることなどないと諦めていたはず。彼女が俺に対し身構えてしまうのも当然と言えた。
離れてしまった手の温もりを寂しく思いながら、俺は萎縮する彼女の心を解こうと柔和に笑んで口を開く。
「姫が驚くのも無理はない。だが、あなたを歓迎すると言った先の言葉に嘘はない。俺たちはこれから夫婦となるのだ。他人行儀に呼ばず、俺のことはジークと呼んでくれ」
俺の言葉に姫は唖然とした様子で、パチパチとアメジストの目を瞬かせる。