敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 低く切り出した俺に、ハウイットは薄ら笑いを引っ込めて頷いた。
「ええ。『悪女』の前評判はなんだったのかと私も驚いています。本当に、人の噂というのは当てにならないものです」
「まぁ、そうだな。『呪い』というのは少し気になるが」
「なにか思うところがおありですか?」
 実は、彼女の『呪い』については少々思いあたることがあった。
ただしこれは王族のルーツに関わること。ハウイット相手とは言え、安易に口にするのは憚られた。なにより、国に帰って調べなければ詳しいことはわからない。
「まぁ、それは今はいい。それより、今後の彼女の処遇についてだ。彼女がアドランス王国で朽ちかけた裏宮でほとんど監禁に近い状況で暮らしていたらしいというのは話していただろう。さらに信じ難いことに、まともに飯も運ばれてこなかったようだ」
「それは本当ですか?」
 さすがのハウイットもこれには驚いたようで、目を見開いている。
 無理もない。俺も聞かされた時は驚きとそれを上回る怒りの感情で目の前が赤く染まった。
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