敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「いいと思いますよ。ジーク様がエミリア姫を慕っているのはわかりきっていましたしね」
 僅かな間を置いて、ハウイットがフッと口角を上げる。
「ハウイット……!」
「なによりこの八日間、私も姫の人となりを間近に見てきました。もちろん今後学んでいただくべきことは多いですが、彼女でしたら正妃としての資質も問題ありません。きっと、おふたりは似合いの夫婦になると思いますよ」
 腹心のハウイットから共感と賛同を示されて、安堵が広がる。
 向かい合うハウイットは臣としてではなく、親友の顔で晴れやかに笑っていた。つられるように俺の表情も綻んだ。
「ですがジーク様、鎧で正体を偽ってるこの状況はどうされるのですか?」
 ……うむ。目下の問題はそれだ。
 思わず押し黙った俺に、ハウイットが畳みかける。
「このまま隠し通す手もなしではありませんが、私はなるべく早く打ち明けた方が傷は浅いと思いますよ」
「打ち明ける?」
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