敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 どう取り繕ったところで俺は彼女を騙している。しかも初対面であんなにひどい言葉を投げつけてしまっているのだ。
 俺が黙っていれば、あれはあくまで臣下が忠心から告げた言葉で済む。だが、俺が正体を打ち明けたら、それはジークフリード本人の言葉になってしまう。
「ええ。私が中途半端な伝書をしたせいで、結果的にジーク様がエミリア姫にあのような発言をしてしまった。そのことは私自身大変心苦しい。けれど、やはりここは正直に彼女に謝罪すべきかと」
 ハウイットの言葉もわかる。しかし俺は打算的ではあるが、隠し通した方がエミリアとの良好な関係を築きやすいと思えた。
「いや、それはだめだ。俺はやはりジークフリードとして、一から彼女との関係を築き上げたい」
 ハウイットが胡乱げに俺を見て口を開く。
「ジーク様はこの間『女に不自由していない』なんておっしゃっていましたが、実際のところ後腐れのない商売女くらいしか相手にしたことがなかったかと記憶しています」
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