敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
無意識のままポツリと漏らし、今度は白いパンを手に取った。まだ焼いて間もないようで、いまだ温もりを残したパンは、両手で割ると香ばしい匂いがふわりと鼻腔を擽った。
ひと口大にちぎり、口に運ぶ。パンはほんのり甘くやわらかで、自ずと頬が緩んだ。
継母に疎まれて裏宮で暮らすようになってからとんと口にしてこなかった温かく豪華な食事は、いやが上にも私の心を躍らせる。
アドランス王国を出てから、旅の中で出された食事も美味しかったが、移動中の昼食は携帯食が中心で冷たい物が多かった。宿の食事もトレイにひとり分をのせ、部屋に運んでもらって食べていた。
こんなふうにテーブルに着いてお皿に盛られた料理を食べるというのは、格別においしかった。
ポタージュスープを匙で掬いコクンと喉を鳴らしたところで、ふと視線を感じて隣へと目を向ける。
ジークフリード殿下が食い入るように私を見つめていた。目にした瞬間、頬にカッと朱がのぼる。
「も、申し訳ありません。私、なにか無作法な真似を──」
「違う」
ひと口大にちぎり、口に運ぶ。パンはほんのり甘くやわらかで、自ずと頬が緩んだ。
継母に疎まれて裏宮で暮らすようになってからとんと口にしてこなかった温かく豪華な食事は、いやが上にも私の心を躍らせる。
アドランス王国を出てから、旅の中で出された食事も美味しかったが、移動中の昼食は携帯食が中心で冷たい物が多かった。宿の食事もトレイにひとり分をのせ、部屋に運んでもらって食べていた。
こんなふうにテーブルに着いてお皿に盛られた料理を食べるというのは、格別においしかった。
ポタージュスープを匙で掬いコクンと喉を鳴らしたところで、ふと視線を感じて隣へと目を向ける。
ジークフリード殿下が食い入るように私を見つめていた。目にした瞬間、頬にカッと朱がのぼる。
「も、申し訳ありません。私、なにか無作法な真似を──」
「違う」