敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
彼女を傷つけた言葉のナイフが、そっくりそのまま己の胸に突き刺さったかのような衝撃。旅の中で彼女の清らかな心根を知り、初対面でひどい台詞をぶつけてしまったことをずっと悔やんでいた。だが、今ほど浅慮だった十日前の自分を恨んだことはない。
幼少期より文武に優れ人心掌握に長けていた俺は、立場こそ王太子だが父王に代わって既に政務の実権を握っている。積み重ねた経験と知識に基づいて下した政治的な決断に、後悔を抱いたことは一度もなかった。
それなのに誰よりも尊重し、慈しみたいと思う彼女を前にして、俺はひどく無様だった。後悔ばかりが胸の中でうねっていた。国内外に響く『氷の王太子』の二つ名とて笑いざまだ。
なんとかこの状況を変えようと唇を開くのだが、結局なにをどう言い繕ったらいいのかわからずに引き結んだ。
「エミリア様、殿下との顔合わせがお済みのようですね。あなた付きとなる侍女を紹介いたしましょう。その者が部屋まで案内させていただきます。どうぞ、こちらへ」
幼少期より文武に優れ人心掌握に長けていた俺は、立場こそ王太子だが父王に代わって既に政務の実権を握っている。積み重ねた経験と知識に基づいて下した政治的な決断に、後悔を抱いたことは一度もなかった。
それなのに誰よりも尊重し、慈しみたいと思う彼女を前にして、俺はひどく無様だった。後悔ばかりが胸の中でうねっていた。国内外に響く『氷の王太子』の二つ名とて笑いざまだ。
なんとかこの状況を変えようと唇を開くのだが、結局なにをどう言い繕ったらいいのかわからずに引き結んだ。
「エミリア様、殿下との顔合わせがお済みのようですね。あなた付きとなる侍女を紹介いたしましょう。その者が部屋まで案内させていただきます。どうぞ、こちらへ」