愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
南は子どもがほしいから。碧唯は仕事をするうえで信頼を得るため。
お互いに条件が合ったから結婚に繋がった。だからこれでいい。
今はいろんな結婚の形がある時代。自分たちもその流れに乗っているのだ。
そうすぐに思い至るのに、心の奥でなにかが〝違う〟と小さく駄々を捏ねる。
その正体がなんだかわからないまま、ひとまずそっとふたをした。
「そうね。ごめん、変なこと言って」
碧唯に謝り、シートに深く座りなおす。
「ところで結婚式だけど、十一月頃はどう思う?」
「私たち、結婚式するの!?」
結婚式とは愛し合うふたりが行うものであって、自分たちには縁遠いものだと考えていた。碧唯がそのつもりだったとは驚きだ。
「普通は女性のほうがしたがるものじゃないのか。まぁ、南らしいといえばそうだけど」
「女の子らしくなくてごめんなさい」