愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「みんな、ありがとう」
「キャーッ、もう早速人妻のオーラが」


目眩でふらつく仕草をした真帆を見て、周りがどっと笑いに包まれると、部長の沖山が「おーい、倉科」と南を呼んだ。


「部長、南さんはもう瀬那さんですよっ」


真帆のひと言に、「そうか。悪い」とバツが悪そうに頭を掻く。


「無理に呼ばなくても大丈夫ですから、部長」


そう言いながら、彼のデスク脇に立った。


「この前作ってもらった分析データ、先方からお褒めの言葉をもらったよ」
「そうですか。それはよかったです」


残業して作成した不動産会社の人流データである。遅くまで残った甲斐があった。


「できればソフトの導入も検討したいそうだ。うちのサポートも必要にはなるだろうが、一度一緒に先方と打ち合わせをしよう。近いうちに付き合ってくれ」
「もちろんです」


顎を引いて答えると、沖山は「頼りにしてるぞ」と表情を引きしめながらも目を細めた。
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