愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
すぐさま離れた彼が、間近でしっとりと見下ろす。
驚いたのになにも反応できず魅惑的な瞳を見つめ返していると、腰を引き寄せられてもう一度唇が重なった。
今回もすぐに離れるだろうとの予測は覆され、碧唯はやわらかな感触を楽しむかのように唇を擦り合わせ啄む。顔がカーッと熱くなり、鼓動がスピードを上げていく。
不思議なのは、南に抵抗する意思が起こらないことだった。
友達なのに全然嫌じゃない。それとも友達だから嫌じゃないのか。
結論が出ないまま彼に唇を貪られ、彼の舌先が侵入を試みたそのとき――。
「お待たせいた――し、失礼しました」
観月が戻ったため慌てて碧唯から離れる。
「すみません」
碧唯はさっと南の唇を親指で拭ってスマートに謝り、南は目も合わせられずに俯いた。
「仲がよろしいのは結構なことですので。幸せのおすそ分けをありがとうございます」
お礼を言われてしまい、かえって恥ずかしい。
その後、観月が用意してくれたティアラやネックレスを着け、ふたり並んで写真まで撮りサロンをあとにした。