愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

◇◇◇

新居での生活がはじまるのを前にして、南は入籍祝いと称して友人の千賀子にふたりだけのささやかなパーティーを開いてもらっていた。

ふたりでたまに行くスペインバルのテーブルには、イカやピーマンのフリット、いわしの酢漬けであるボケロネス、スペイン風オムレツのトルティージャなど、スペインならではの料理がずらりと並ぶ。


「とうとう南が瀬那南になったかぁ」


ライムサワーでの乾杯も早々に、千賀子が感慨深げに呟く。


「それでいつからふたりで暮らしはじめるの?」
「明日から」


入籍から二週間が経ち、家具の搬入も完了。南の荷物もだいたい運び込んであり、明日の午後、碧唯が自宅に迎えにくる予定になっている。

その日こそ、ふたりの新生活のスタートだ。


「瀬那南さん、今のお気持ちは?」


千賀子がリポーターの真似事をしてエアマイクを南に向ける。
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