愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「新婚なのに浮かない顔してどうした」
沖山が隣から南の顔を覗き込む。
「暗い顔してます?」
「ああ。この世の終わりって顔してる。旦那となんかあったのか?」
「なにもないですよー。ただ、結婚ってやっぱり難しいんだなって痛感してます」
簡単にしていいものではないと、しみじみ思う。普通の結婚ならまだしも、友情婚は恋愛偏差値がずば抜けて高い人間でなければしてはいけない。
「普通、新婚って周りも目に入らないくらいバラ色なんじゃないのか?」
新婚生活といえば、まさにそうだろう。でも。
「私たち、普通じゃないので……」
思わず本音がぽろっと漏れる。
友達のような夫婦はいくらでもいる。碧唯はそう言っていたが、それはたしかな愛情を築き上げたあとに同志のようになる夫婦なのではないか。
愛あってこその夫婦だ。