愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
問いかけようとした南の目に驚きの光景が飛び込む。
碧唯が、処置室の細いベッドに腰を掛けていたのだ。
ジャケットこそ脱いでいるが、ワイシャツにネクタイ、スラックスも着た状態。病衣を着てもいない。なんなら、ちょっとそこに腰を掛けているだけといった風情だ。
「……南? どうしてここへ」
「どうしてって、ニュースで碧唯くんが病院に運ばれたって見て! 千賀子からも連絡もらって、小西くんは俺もわからないっていうし。もう私どうしたらいいのかわからなくて」
次から次へと溢れる言葉を止められない。半ばパニックだった。
「ちょっと待て、落ち着け」
「落ち着けないよ。どういうこと? 怪我は? 無事なの?」
ニュースはでまかせだったのか。あの感じはただ事ではない扱い方だった。
「見ての通り」
碧唯は両腕を広げて、自分の健在ぶりをアピールした。