愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「全身を強く打った可能性があるため脳波やMRIをとりましたが、異常はありません」


南たちをここへ招き入れた医師の神楽が説明する。


「車は相当なダメージを負っていたので奇跡と言えるでしょう。このままお帰りいただいて結構です」


神楽は「お大事にしてください」と言い置き、南たちから離れていった。


「瀬那さん、無事でよかったです」
「心配をかけてすまなかった。仕事も中途半端になって」
「そんなの気にしないでください。あとはどうとでもなりますから。とにかく今日はゆっくりしてください」


同僚たちが口々に激励して部屋を去っていく。
看護師が遠くで忙しなく働く中、南と碧唯だけになった。

彼の無事をようやく認識して、途端に胸がいっぱいになる。鼻の奥がツンとして、目頭がじわっと熱い。
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