愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「気づけよ」
「そ、そんな無茶言わないで」


碧唯の南への扱いがちょっと違うかもと思ったのですら結婚後だ。


「それなら今すぐ全部わからせてやる」
「――キャッ」


なにを思ったか、碧唯は南をその場で抱き上げた。


「ちょっと待って」
「無理。俺が何年待ってたと思ってる? 忠犬なんてもんじゃないぞ」
「何年って……?」


年単位の想いだなんて想像もしない。
南は抱き上げられた状態で足をパタパタとさせ、履いていたパンプスを脱ぎ捨てた。

方々に散らばったパンプスに構わず、碧唯がそのまま寝室に直行する。大事なものを扱うようにして南をベッドに降ろした。

シュルッと音を立ててネクタイを引き抜く。華麗な手さばきによって、それはベッドサイドにふわりと舞って落ちた。

南を組み敷いた碧唯が、強く熱く見つめる。
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