愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
子どもの話題を出したのは南だが、なぜいきなり結婚する話になるのか。
「南は子どもがほしいんだろう?」
「……うん、まぁ」
家庭あってこその子どもではあるけれど。
「俺もそろそろ結婚の必要に迫られてる」
「どういうこと?」
「ヨーロッパでは家庭を持っているのといないのとでは信用の度合いが違う。あちらの外交官や大臣とは家族ぐるみの付き合いも大切なんだ」
その点はわからなくもない。欧米の人たちは家庭第一主義だと言うし、日本でも銀行員などは結婚しているほうが信用されると聞く。
「最近、叔父からもしつこく縁談を勧められてね」
「碧唯くんの家ならそんな話があってもおかしくないよね」
彼の実家は、世界に名を馳せる高級ホテルグループを経営している。父親は会長に退き、現在は彼の兄が社長だ。
つまり碧唯は生粋の御曹司なのである。
父親は自由な結婚を推奨しているそうだが、子どもに恵まれなかった叔父が猛烈に結婚を打診してくるのだとか。