愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
やわらかな毛並みに顔を押しつけていたが、不意に腕の中からするりと抜けていく。
「抱きつく相手を間違えてる」
碧唯がクマを取り上げたのだ。南の手が届かないベッドの隅にそれを座らせると、碧唯はそばに腰を下ろした。
「おはよ。体調はどうだ?」
伸びてきた彼の手が額に触れる。
「熱はさほど高くはなさそうだな」
「うん、よく寝たからかな、頭もすっきり。昨日はその……ごめんね」
いざという場面になって寸止めせざるを得ないなんて、あまりにもタイミングが悪すぎる。
「あの状態でお預けされるとは思ってもみなかった」
苦笑いをしながら髪をくしゃっと撫でられた。