愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「食欲があれば大丈夫だろう。今日は土曜日だし、一日寝ているといい」
「碧唯くんは?」
「俺はちょっと庁舎に顔を出してくる。そんなに遅くはならないと思うから」
昨日の一件の報告もあるだろう。ヨーロッパの要人を招いた際に起きた事故でもあり、後処理が残されているはずだ。
碧唯はベッドの隅に座っていたクマのぬいぐるみを引き寄せ、南の隣に寝かせた。
「ありがと。碧唯くんの代わりに抱きしめて寝てる」
「そいつじゃ俺の代わりは務まらないだろうけど」
意味深な言葉を囁き、南の唇にキスを落とした。
「いってくる。おとなしく寝てろよ」
「はい。いってらっしゃい。気をつけてね」
布団から手を出してヒラヒラ振り、彼を見送る。
隣に横になったクマを抱きしめて目を瞑ると、幸せの余韻が次第に南を眠りの淵へ連れていった。