愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「咲穂さん、彼氏いるんだね」
「近々結婚するらしい」
「そうなの? 私ずっと誤解してた」
「誤解?」


エンジンを掛けて徐々に走りだしながら、左側をたしかめつつ碧唯が南を見る。


「咲穂さんが碧唯くんを好きだって」
「武井が俺を? ないない」


碧唯はオーバーすぎるくらいに首を振って否定した。


「ローマでも碧唯くんに抱きついたり、この前も庁舎の前で腕を組んだりしてたから」
「武井はフランス育ちのせいか、人との距離感が日本人とは違って。いつも注意はしてるけど、なかなか治らない」
「フランス育ちなんだ……」


それでようやく納得した。ヨーロッパの人たちはスキンシップの度合いが日本とは違うだろうから。それは碧唯とローマに行ったときにも感じた。


「庁舎の前で腕を組んでたのも、彼女にとっては普通。もちろんすぐに引き剥がしたけど。その話も南とはしなきゃならないと思ってた」
「咲穂さんとの腕組み?」
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