愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「それじゃ結婚式、ボイコットする?」
南が飛ばしたジョークに、碧唯はふっと笑みを零した。
「それはナイスアイデアだな。ここからこっそり抜け出して、森をふたりで駆け抜けようか」
「このドレスで走れるかな」
「心配いらない。お姫様抱っこしてやる」
逃げる算段をしていたそのとき、ドアをノックされる音が聞こえてきた。
「はい」
碧唯の返事を待って開かれたドアからブライダルアテンダーが顔を覗かせる。
「そろそろお時間ですが、ご準備はよろしいでしょうか」
万事休す。碧唯と顔を見合わせ、笑い合う。
「はい、万端です」
アテンダーに答え、控室をあとにした。