愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
目を大きく開き、眉を上げ下げするアンジェロの肩を拳で軽く小突き、碧唯は南のほうを向いた。
「南、こっちはアンジェロでイタリアの外交官。いろいろ助けてもらってる」
『アンジェロ、フィアンセの南だ』
碧唯がそれぞれに紹介したのを受けて、南が英語で挨拶をする。
『南です。いつも彼がお世話になっています』
『ワオ! とっても美しい! まるで女神のようだ。ミナミ、僕のお嫁さんにならないか?』
「きゃっ」
唐突にアンジェロに抱きしめられ呆気にとられたが、すぐさま碧唯がふたりの間に割って入る。
『おい、アンジェロ、南は俺のフィアンセだ。気安く触れるな』
南を背後に庇うようにしてアンジェロの前に立ちはだかった。
(なんて言ったのかな?)
語気が荒いのは感じるが、碧唯がイタリア語で牽制したため南にはさっぱりだ。