愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
彼の周りにいる人たちもそれなりにセレブだろうが、放つオーラが常人ではない。大柄な体型のせいだけではないだろう。
きっと彼がイタリアの外務・国際協力大臣に違いないと南が予想した通り、アンジェロが声を掛けたのはその人だった。
振り返った彼が相好を崩し、目尻に深い皺を刻む。
『ヘーイ! アオイ!』
アンジェロ同様、とても陽気だ。
南は数歩後ろに下がり、邪魔にならないよう距離を取った。
『大臣、お招きありがとうございます。その後いかがお過ごしだったでしょうか』
さすがにアンジェロとのときのようにフレンドリーに抱擁などはせず、碧唯は右手を差し出して彼と握手を交わした。
『見ての通り元気さ。アオイがプレゼントしてくれたオリーブオイルのおかげだろうね。あれは絶品だ。妻とも最高の品だと話しているよ』
『それは光栄です』
『ところで日本に帰るそうじゃないか。非常に残念だよ』