愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「碧唯くん、ちょっと喉が渇いちゃったから飲み物をもらってくるね。碧唯くんも飲む?」
「俺は大丈夫。ここにいるから行っておいで」
彼から離れ、会場内を行き交うウエイターからスパークリングワインをもらう。
その場でひと口飲んで喉を潤してから碧唯のもとへ戻ると、彼は先ほど挨拶をした大臣やその取り巻きたちと話に花を咲かせていた。
邪魔をしてはいけないと、少し離れた場所から見守る。
流暢なイタリア語で彼らと楽しそうに、時に真剣な様子で交渉も交えた話をする碧唯は、大臣にも決して引けを取らない雰囲気を纏っている。
エリート中のエリート。品性に溢れ、優れた知性も持ち合わせた横顔が、南の鼓動をじわじわと乱れさせはじめていた。
(……碧唯くんって、あんなにカッコよかった?)
彼が容姿に優れているのは知っている。女性から好意に満ちた眼差しを向けられていることも。
けれど南は彼を友達としてしか認識してこなかったため、それ以上の目では見ていなかった。
パーティーとはいえ職務の一環としてやって来たここで、初めて彼の働く姿を目の当たりにし、勝手な動きをする鼓動を制御できなくなる。スマートな仕草と精悍な顔つきから目が離せない。