愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
心から感嘆しているように見せるのだから油断ならない。
碧唯は軽く首を横に振りながら、お腹の底から吐き出すような深いため息をついた。
「どうしたの? どこか具合でも悪い?」
「いや、なんでもない。俺も話に夢中になって悪かった」
「え? そんなの気にしなくて平気よ。碧唯くんは仕事でここへ来てるんだから。フィアンセらしい姿勢は心得ています」
ここでの南の役目は彼のサポート。背筋を伸ばし澄まし笑顔を向けた。
ふっと笑みを零しながら南の肩を引き寄せ、碧唯が髪に優しいキスをひとつ落とす。
「――い、今のは必要?」
「フィアンセなら当然。さぁ行こうか」
碧唯は南をエスコートして歩きだした。
その後もあらゆる人たちと会話を楽しみつつ大臣の妻や日本大使にも紹介され、和やかなパーティーはつつがなく進行し終わりを迎えた。