愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

翌日、南は碧唯にローマの街に連れ出された。
観光がしたいという南のおねだりに碧唯が応えた形である。南の滞在中は休みを取ったそうで、気兼ねなく彼に案内してもらえるのはありがたい。


「まずは定番のスペイン広場へ行こうか」
「うん、ぜひ」


不意に手を取られたため、南はびっくりして肩を揺らした。


「こうして繋ぎとめておかないと、南はすぐにふらっとどこかへ行くから」
「そ、そんな子どもみたいに言わないで」


昨日のパーティーの一件を根に持っているのだとしたら、いい加減忘れてほしい。
不満を口にする南にいたずらっぽい笑みが向けられる。それと同時に指を絡められ、図らずも心臓がトクンと高鳴った。

映画『ローマの休日』ではスペイン階段でジェラートを食べるシーンがあるが、今は禁止されているという。映画のヒロイン気分を味わいたかったが断念し、ジェラートを食べられるトラットリアに入った。
階段が見渡せるテラス席に座り、注文を済ませる。

日差しが燦々と降り注ぐ中、風は爽やか。とても気持ちがいい。
< 77 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop