愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
彼女に聞かれて頷くと、咲穂は碧唯の隣の椅子を引いて座った。
「俺たちはこれを食べたら出るけど」
「ひとりにしないでって言っても? なんてね」
碧唯のつれない態度にも動じず、長いまつ毛を碧唯に向けてふふふと笑う。
「今日の大使館は朝から碧唯のフィアンセの話でもちきりよ。昨日のパーティー、てっきり私が同伴を頼まれるのかと思ってたわ」
「それは悪かったな」
どうやら普段、パートナーの役目は彼女に頼んでいたようだ。
咲穂は軽く唇を尖らせるようにしたが、すぐにパッと笑みを浮かべる。
「でも、ご本人と会えてうれしい」
「私も同僚の方とお会いできてうれしいです」
ちょっと緊張はするが、同じ職場の人から聞く碧唯の話にも興味がある。
「瀬那くんとは付き合いが長くて、入社したときからずっと一緒に仕事をしてきたの」