冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 彼と会えないことは普通で、討伐隊はその名の通りたいてい魔獣狩りで外に出ている。特にリーンハルトは負傷することなく帰って来るので、忙しいと顔を合わせないこともしばしばだ。

 遠くから、リーンハルトの無事な姿を確認して仕事に戻る。そんな事の繰り返し。あまりしつこく付きまとっても彼のストレスになってしまうだろう。

 少なくともここではレティシアが困っていれば手を貸してくれるし、普通に口もきいていくれる。
 

 レティシアが午後の休憩をとっていると、リーンハルトとよく一緒にいるロベルトがやってきた。

「レティシア嬢。君の弟を見なかったかい?」

 彼は伯爵家の出なので、同格のレティシアやリーンハルトに砕けた口調で話しかける。

「見ませんでした。どうかしたんですか?」
「いや、朝、近隣の村に見回りを頼まれて出たんだが、まだ帰ってきていないんだよ」
「え? 村は近くなんですか?」

 心配になり身を乗り出す。

「そのはずなんだが……」

 ロベルトの言葉に不安を覚えた。

「どなたかと一緒に行ったのではないですか?」

 討伐隊は最小でも二人一組と聞いている。

「基本はそうしているのだけれど。生憎、みな出払っていて。ほら、人数が足りないだろう? よくあるんだ」
「それで、どちらの方向へ?」

 レティシアが矢継ぎ早に質問する。

「東の方へ。リーンハルトは強いから、そんな心配しなくても大丈夫だよ。夕方までには帰って来るさ。余計なことを言ってしまったね」

 ロベルトが眉尻を下げる。

「いえ、リーンハルトなら、しっかりしているし強いから大丈夫だと思います」

 レティシアは落ち着いて返事をする。

 しかし、リーンハルトは夕方になっても戻らなかった。

 リーンハルトに渡したアミュレットから自分の魔力をたどればきっと彼を見つけられる。


 ――絶対に私があなたを守るから。





 レティシアはマントを羽織り、剣を携え携帯食料を持って営舎を出た。野宿できるだけの装備は持っている。リーンハルトを探すつもりだ。

 営舎では心配をかけないように。今日は疲れたので早めに休むと夕食もそこそこに、部屋へ引っ込むふりをした。

 そして、営舎を抜け出した。
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