冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「なら、気にするなよ。辛かったら言って、何か対策を立てるから。それから、あまり一人で出歩くなと言っただろう? 用がないなら部屋に戻れよ」

 そういって女性用の宿舎まで連れていかれた。前回と同じで、義弟が保護者のような口を利く。レティシアは呆然と去って行くリーンハルトを見送った。気にし過ぎだったようだ。彼は堂々としている。

 そういえばリーンハルトはレティシアのループの話をどう受け止めたのだろう。嫌われると思っていたのに、なんだかんだと変わらない。



 ◇


 傷病者の手当てが終わり、遅めの昼食をとりに食堂へ行くとエレインが待ち構えていた。

「レティシア! こっちこっち」

 エレインはもともと貴族令嬢らしからぬタイプだったが、こちらにきてから、更にパワーアップした。彼女の声は多く喧騒のなかにあってもしっかりと耳に届く。レティシアは慌てて彼女のもとに行く。

「どうしたの? エレイン」

 彼女は窓のそばのなかなかいい席をとっていた。内緒ごとがある時は二人はたいていそこに座る。

「実はね。大親友であるあなたにだけは言っておこうと思って」

 討伐隊を目指し始めたあたりから、レティシアはエレインの友人から大親友に昇格した。

「うん、何?」
「アラン様に告白しようかと思って」
「え? このタイミングで!」

 うすうすエレインがアランの事が気になっているのには気づいていた。アランは見た目もいいし何といっても誠実だ。結構もてていると思う。

「実は、この討伐隊に参加しようと思ったときチラリと考えていたの」
「何を?」
「婿探し」
 レティシアは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになる。

「え? 討伐隊で?」
「そう、危機的な状況でこそ人って本性を出すと思うの」
 確かにアランもリーンハルトもそういうタイプだ。
「エレイン、頭いい!」

 アランはきっといい恋人になり、いい夫になるだろう。ぜひとも二人で幸せになって欲しいものだ。

「一応、あなたには伝えておいたから」
「え? それだけ? 何か私に出来ることはない?」
 レティシアは目を瞬く。

「玉砕したら、慰めて」
「大丈夫よ。いい雰囲気だと思う」

 エレインを励ました。実際見た感じ二人はぴったりだ。アランも憎からずエレインを思っているはずだ。

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