冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 そしてミザリーもリーンハルトに抱きつく。

「良かった。リーン、ずっと心配だったの」
「大丈夫だよ。なかなかやりがいがあった」

 そんなふうに二人が話す声が聞こえる。そして意外だったのが、ミザリーがレティシアにも抱きついてきたという事。

 一瞬刺されるのかと思ってどきりとした。
「レティシア、あなたの勇気をたたえるわ」 

 驚いた。彼女がそんなことを言うとは思ってもみなかった。

「ミザリーはあなたを心配していたのよ」
 義母も言う。ミザリーの演技なのだろうか?

 しかし、その後もう一度ぎゅっとミザリーに抱きしめられる。
「残念、どうして無事だったの?」

 耳元で囁かれ、驚いて体をはなしミザリーを見る。
「ふふふ、冗談よ。これからはもっと仲良くしましょうね。あなた功労者で表彰されるんでしょ? 偉くなって帰ってきて私も鼻が高いわ」
 彼女は天使のような清らかな笑みを浮かべた。

 久しぶりに帰って来たのに少しうんざりする。延長して残留した方がよかったかもしれない。延長しようかとリーンハルトに告げると、彼が「じゃあ。俺も残る」と言ったので諦めた。


 帰還したその日は疲れているだろうからと自室で食事をし、次の日家族そろっての晩餐となった。

 場は和やかでレティシアの出発前と変わらない。一つ違うのはレティシアとリーンハルトが話すようになったこと。
 オスカーもオデットも以前より仲良くなった二人を喜んだ。表面上はミザリーも。しかし、時折ぞっとするような視線を向けられる。

 サロンで茶を飲んでいるとリーンハルトがやって来た。
 彼がレティシアの横にかける。

「レティシア、来週の慰労会出るんだろう」
 名前こそ慰労会だが、王宮で行われる公式なパーティだ。

「うん、そういえばリーンハルトは叙勲するんだっけ? あのベヒモスやっつけたので?」
「それもあるらしいけれど、最多討伐らしい」
「え、そうなの? すごい!」

 レティシアが目を見張る。

「いや、たまたまだよ」
「危ない真似はしない。なんていってたのに真っ先につっこんでいっていたんでしょ?」
 疑わしそうに義弟を見る。

「そんなことはない。それより騎士団に誘われている」
「行くつもりなの?」

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